但馬牛の子牛市場は総平均100万円越え〜但馬淡路ともに開設以来の高値を更新〜

7月11日は但馬家畜市場が、18日には淡路家畜市場が開催されました。
但馬牛の子牛市場があるのは兵庫県のこの2市場だけ。
7月も変わらずの高値推移でした。
いや、飛び抜けて高かった。。。

まずは市況です。

7月市市況

【但馬家畜市場】

雌 128頭 最高1,412,620円 最低510,840円 平均907,698円 前年同期比95,415円高 先月比53,427円高

去勢 171頭 最高1,345,680円 最低129,600円 平均1,089,651円 前年同期比229,625高 先月比98,117円高

【淡路家畜市場】
雌 131頭 最高1,212,840円 最低66,960円 平均960,038円 前年同期比125,850円高 先月比54,927円高

去 210頭 最高1,374,840円 最低529,200円 平均1,157,765円 前年同期比246,010高 先月比15,704円高

ヤバいね。どちらもハンパない値段。
但馬、淡路とも去勢牛は「税抜き」でも100万円越え。
例年であれば7月は最も安価な月。
しかし、どちらの市場も開設以来の最高値を記録しました。

なんかマジで毎回市場のたびに「ハンパない」っていってる気がする。。
少し過去の市場と比べてみよう。

過去10年間の子牛価格の推移(但馬家畜市場7月子牛市)

どんっ!!

うん、マジでハンパないっす。
5年前まではこの半値で子牛を販売していたんだね。

グラフを見ると但馬牛の子牛価格の高騰がよくわかる。
その上でも2018年の今回の市場が、どれだけ異常なのかもよくわかると思う。
適正価格って僕にはわからないけど、この仕事は相場に左右される職業だってことは嫌というほどわかっている。

ちなみにこの時期の全国子牛価格の平均は、去勢81万円メス71万円 。
同じ黒毛和種であっても兵庫県の子牛(但馬牛)以外は少しずつ値を下げている。

この但馬牛だけが抜きん出ている現状は「神戸ビーフ」の数が需要に対して圧倒的に足りていないという事に尽きる。
現在神戸ビーフ枝肉単価がA5で5,000円、トップは6000円から。
これが但馬牛の子牛相場を支えている要因なのだ。

但馬牛と神戸ビーフ

但馬牛は黒毛和種という品種だが他にはない特徴を持つ牛だ。
1400年以上昔から兵庫県北部の但馬地域で飼われ、他県産の黒毛和種の血を入れずに改良を続けてきた。
この但馬牛のみが神戸ビーフの素牛になることができる。

以外と知られていないが神戸ビーフは世界で最も有名なブランド牛。
他の銘柄牛はもとより「和牛」よりもその認知度は高い。
神戸ビーフの輸出が好調である事、インバウンド消費、そして2年後のオリンピックを見越した需要も重なり7月の子牛市場は強気の購買が続いた。
(※牛が肉となるのは子牛市場から2年後。今回の市場で売買された子牛がちょうど東京オリンピックの時期と重なる。)

本当にありがたい。
数年前は利益なんて殆ど無かったもん。

一方でスーパーの牛肉売り場はこんな変化が出ている。

確かに高いもんね。。。
神戸ビーフや但馬牛は今やスーパーでは買えない値段になってきている。

でも僕は子牛は安くなるべきだとは思わない。
もちろんこのままが続くとも思わない。
牛の相場なんてコロコロ変わるから。
相場と相場外、どちらもしっかり押さえておくだけです。

牛なんてわからない事だらけ。
良い時もあれば悪い時もある。
相場に左右されない経営は難しいけど、どんな相場でも欲しいと思ってもらえる牛を出していく事。また買いたいなと思ってもらえる牛を作っていく事。
そこを間違えないようにすれば生き残っていけるのかなとは思っている。

それが難しいんだけどね。
それが面白いとこでもあると思うんだ。


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田中 一馬
1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。