2018年度の放牧敬産牛肉は「てるこ3」「ゆきひめ6」の2頭です!!

あっという間に12月ですね。
今年も放牧敬産牛肉の時期になりました。

今年の牛は2頭。
「てるこ3」と「ゆきひめ6」です。

てるこ3(左)、ゆきひめ6(右)

放牧敬産牛肉とは但馬牛の母牛を出荷前の約半年間、放牧して野草のみで仕上げるお肉のこと。

放牧場は16ha。
半分は野草地。

あと半分は山林。

実はこの飼い方は業界では非常識です。
特に和牛バブルと言われる今、高価な黒毛和種を放牧で仕上げるなんて日本でも僕だけだと思う。
もう11年目に入る。

別に僕はアニマルウェルフェアがどうこうとか、放牧は自然な飼い方だとか、人と違うことすれば売れるなんて思ってこの牛肉を生産しているわけじゃない。
むしろ売るだけなら普通に肥育したほうが簡単です。
実際に子牛市場に出せない子牛は理想肥育して食肉市場の基準に合う牛肉を生産するために毎日試行錯誤している。
黒毛和種、但馬牛は引く手数多だ。
変化球など必要ない。

ただ、僕はこの放牧敬産牛肉が好きなんだ。

始めた当初、全国でもとても有名なお肉屋さんに言われたことがある。
「子牛の頃に放牧し肥育時期は牛舎で飼うのなら分かる。でも、屠畜直前に放牧で仕上げるなんて。。。真逆だ!!」と。
実際僕もそうだと思っていた。

お肉の味は子牛の時期の飼い方ではなく、お肉になる前の半年間が大きく影響する。
『放牧のお肉は臭みがあり水っぽく色も悪く美味しくない。』
これが食肉業界の常識だった。

でも、10年前に「しょうふく」という牛をお肉にした時、素直においしいなって思ったんです。

しょうふく

正直言えば、放牧っていうキーワードを全面に出し、有名にお肉屋さんにドライエイジングをお願いして、付加価値をあれもこれもつけることに必死な時期があった。

でも今は何にもしない。
そのままで美味しいことを知っているし、このお肉を楽しみに待ってくださるお客さんを知ってるから。

自分で言うのもアレだけど、マジ美味いです。
NZのグラスフェットから40ヶ月を超える但馬牛雌の長期肥育と、幅広く様々な牛肉を食べ続けてきた僕だけど、贔屓目抜きで美味い。
硬いけど(笑)

但馬牛の放牧仕上げ。

どこにも無いジャンルの旨味だと、改めて思う。

今年の牛たちのことはtwitterで#放牧敬産牛肉と検索していただくとたくさん出てきます。各ツイートには動画もたくさん入っているので牛たちや放牧の雰囲気が分かると思う。是非覗いてみてね。

って、実際は見ない人も多いと思うので。ブログにもツイート貼り付けときますね(笑)

放牧敬産牛肉2018ヒストリー

我が家のメイン放牧場でもある大照放牧場。
4月後半でもまだ道路には雪がある。
草も少なくまだとても放牧はできない。
これが但馬地域。

格之進の千葉社長が放牧敬産牛肉のことを書いてくださいました。

この時期が一番気持ちいい。
山の生命力がハンパない。

梅雨を過ぎると草の成長が著しく、放牧場はジャングルになります。。。

さあ、いよいよ放牧スタート!!!

って、いきなりマジかよ笑。

放牧翌日、ベテランの「ふくこ」が滑落により事故死した。牛舎での事故は皆無なのに放牧だと必ず何かある。もうやめようかと一瞬思った。。でもやめない。この繰り返しだ。

放牧は牛にとって楽園ではありません。
適応できる牛、ストレスで耐えられない牛、但馬牛はめちゃくちゃ難しい。
毎年毎年実感している。

それでもね、放牧に適応できた牛は美しいんです。
それを知って欲しくて「たなちく牛部」の募集を開始しました。

牛たちは放牧にしっかり馴染んでくれました。

日経でも取り上げていただいた。

そんな中で鹿が電気柵を破って牛が逃げる事件が発生。逃げてる自覚が全くない2頭の牛たち。。。(笑)

ススキに穂が出てくると、そろそろ下山の時期になります。

呼んだら走ってくるてるこ3とゆきひめ6。
自分で決めたことだから後悔なんてないけれど、この時期はさすがに思うとこが大きい。

いよいよ下山です。
本当によく頑張ってくれた。
放牧だけじゃなくね。
繁殖牛として十数年間ありがとう。

屠畜まであと2日。

さあ、いよいよ出荷です。

ここからは肉屋として2頭に関わることになります。

ふーーーー。
改めてちゃんと届けたいって、振り返って思うね。

お肉の販売は12月末に「ゆきひめ6」、1月中旬に「てるこ3」を予定しています。
また今年は精肉だけじゃなく、いろんな形でこの2頭をお届けしようと持ってる。

楽しみに待っていてくださると嬉しいな。


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田中 一馬
1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。