お肉って綺麗だよね。

こんにちは。
田中畜産の田中一馬です。

今日、お肉を切っているときに妻がフッと「お肉って綺麗だよね」って言ったんです。
それを聞いて僕も、「ホントそうだよな~」って思いました。

お肉って一見ただの塊に見えますが、分割していくと綺麗に分かれていきます。
それってそれぞれの筋肉に役割があって、一つ一つが意味を持って存在しているということ。
当たり前のことなんですが、そう考えると何だかお肉が愛おしく感じてしまいます。

例えば「ヘレって柔らかくってステーキにいいよね!」っていう思いもあるけど、ヘレに対して「お前あんま働いてないじゃねえから柔らかいんだよ!」とか、スネに対して「そりゃ、これだけ筋ないともたないよね。頑張ってるね~。」とか思っちゃったりするんですよね。

昨日は外平(ソトモモ)をさばきました。(妻が。。)
外平はモモの中でも最も動かす場所で、キメも荒く肉も硬い場所。
モモでは一番単価が安い場所でもあります。
特に我が家の牛たちは放牧しているから真っ赤っかの硬~いお肉なわけです。

だけども僕はそこに魅力を感じちゃうんですよね。

外平は一番大きな【ソトモモ】、ローストビーフに最適な【マクラ】、そしてスネに続く筋がいっぱいの【ハバキ】に分けれれます。
普通だと放牧牛の外平は切り落としかミンチ。
お金の取れない場所です。

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(外平からハバキを外しています。)

でも実は全然違う。
外平って一番動かす部分だから赤身の味が濃い。
赤けりゃみんな同じ「赤身肉」ではないんです。
餌や部位で赤身の味も全く違います。

その中でも一番筋の多いのがハバキ。

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一見筋だらけでスネ肉みたいです。
でも、硬さ以上にこの子は旨味の塊でした。
なんで僕はずっと切り落としにしてたんだろう。。。と、こいつの良さを見抜けなかったことに反省しっぱなし!!

見て、真っ赤っかでしょ!!
鹿肉かよ!ってつっこみたいくらい。

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しかし、コイツが美味かった。。。
見た目が悪すぎて売りにくいけど。。。

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そして、このハバキの真ん中にあるのが焼肉マニアにはお馴染みの千本スジです。
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見るからに硬そうで、筋がしっかり入っています。
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いやいやいや、これはさすがにあかんやろ。。。でも、可愛いよね。。。。焼肉にする?
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いやいやいや、絶対硬い。噛み切れないよ。真ん中に筋入ってるじゃない。
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と、言いながら焼肉用へ。
「食べないとお客さんに出せないよね!」という毎度お馴染みの合言葉が出て、結局我が家で食べちゃいました。
そしたら外平の濃さと千本スジの食感がいい感じ。美味いよこれ!!!
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本当にお肉って面白い。
一言でソトモモって言っても、全く違う肉が集まって出来ている。
味も食感もそれぞれに個性がある。

そしてそれは食べるためにできた個性ではなくって、筋肉としての役割がそれぞれあって、それを僕らが頂いているっていうこと。
そんなこと思っちゃったら、硬い柔らかい関係なしに、ひとつひとつの筋肉に機能美を感じるし、ひとつひとつの筋肉の味が愛おしいわけ。

お肉って綺麗なんです。
脂肪もいいけど、筋肉って面白い。

この面白さをお客さんと共有したいな~。
それが多様性の入口だと思うんだよね。


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田中 一馬
1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。