削蹄鎌の研ぎ方②

削蹄鎌の研ぎ方。

第2回は鎌の形です。
削蹄鎌には両刃と片刃があると前回書きました。
包丁でも両刃片刃ありますよね。

削蹄鎌の場合は刃が両面にあるないだけでなく、鎌自体の形が違います。
まずは鎌の表と裏を見てみましょう。
どちらも新品でまだ研いでいません。

両刃(表)
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両刃(裏) まあ、両刃に表も裏もないけどね。
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片刃(表)
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片刃(裏)
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パッと見た感じで違いますよね。
両刃は両面に刃をつけるように研ぎます。
片刃は表面に刃を付け、裏面は表を研いだ時の返りを取るくらい。
そのあと仕上げ砥石で表裏全体の滑りがよくなるように研いでいきます。

前から見ると各鎌の特徴がよくわかると思うのですが、片刃は反っています。(反っていないのもあります。)
この形状から使う砥石の形も変わってきます。
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さらに角度を変えると鎌の違いがよくわかります。
全然違うでしょ!!
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片刃(左)は柄に水平に鎌を回せば平坦な負面ができますが、両刃(右)は柄の真ん中に刃があるため柄に水平では柄が邪魔して蹄は切れません。
その為、両刃は柄の角度をつけて刃を蹄に食い込ませる必要があります。

グッと刃をくいこませ、鎌を回して蹄を切るのですが、そのまま力を入れるだけでは鎌は抵抗が大きく止まります。
そこで無理して切ると蹄に食い込みすぎて牛は怪我をしていまいます。
最初に喰い込ませ、最後は逃がすのが両刃の使い方。

研ぎ方の基本は刃の進行方向を考える事から始まります。

(つづく)


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田中 一馬
1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。