絶対に捕まえさせない牛の捕まえ方

こんにちは。
但馬牛の繁殖・削蹄師・放牧牛肉(肉屋)の田中一馬です。
前回なかなか捕まえさせてくれない牛の捕まえ方について書きました。
図3
今回は絶対捕まえさせない牛についてです!
(いろんなパターンの牛の捕獲方法は「こちら」から。)

広い場所では隅に追い込むのが基本

放牧場のような広い場所であっても、逃走距離6mの牛なら一人でもなんとか捕まえることはできます。
しかし、逃走距離が10m以上の牛は警戒心の塊。
絶対に距離を縮めてくれません!!

そんな場合は電気柵やトラックなどの物理的な壁を作り、隅に追い込むという方法が有効です。
牛が自由に走れる環境下では、人間よりも足の速い牛に追いつくことは不可能。
牛を隅に追い込むことで逃走ルートを制限していくのです。

図で見ていきましょう。
放牧場の場合、基本的に電気柵などで囲われています。
ここにトラックなどをくっつけることでL字の捕獲場所を作ります
この隅に牛を追い込み、距離を縮めることで捕獲が可能となります。
imageしかし、①一人でプレッシャーをかけても②牛の動きを制限しにくいため隅に追い込むこと自体が困難です。

隅に追い込むためには最低3人は欲しいところ。
広いところだからこそある程度の人数でプレッシャーをかける必要があります。
image

追い込んだと思っても油断してはダメです。
こちらは失敗例。

失敗するほどに警戒心は深まる

当然ですが失敗するほどに牛の警戒心は深まります。
仏の顔も3度までと言いますが、捕獲の失敗も2~3回が限界。
「これがラストチャンス!!」という思いで、再度トラックの隅へと牛を追い込みます!!
imageこのフォーメーションでは3号の動きが重要です。
なので僕が3号に入りました!!

行くぞ~!!!!


出遅れました。。。。。

この時点で牛の警戒心は最高潮。
既に1時間以上が経過。
なだめる、馴れるまで待つ、餌でつる、狭い所に追い込む・・・・・・すべて通用しません。
ついに最後の手段を使うときに来ました。

絶対捕まらない牛の捕まえ方

まずは高台の林に牛を追い込みます。
平坦な草地に比べ、傾斜のきつい場所は牛の加速を弱めます。
さらに木が覆い繁っていることも牛のスピードも抑制する要因となります。
「ここでダメだと最後の手段しかない。。。」
現場に緊張が走ります。

林の中で動きの鈍くなった牛を捕獲しようと、ゆくりと近づいたその時!!!
追い詰められた牛が崖を駆け下りてきました!!!!!
予想外の展開に慌てる捕獲者たち。
そしてついに、最後の捕獲手段に入ります。
それは。。。

図1
走って走って走って走るんだよー!!!

そう、「ひたすら追う」のです。
どんな障害があろうが飛び越え走り続ける。

人間に比べ牛のほうがスピードも持久力もあります。
まともにかちあっては勝てません。
だけど生ぬるい作戦はもう通用しません。
ひたすら追うのみです。

この「相手が力尽きるまで追い続ける作戦」は非常に体力と気力を削ぎますが、まさに捕獲の原点

※これにも前回のブログで書いた「人間よりも牛の運動量を多くする技」は有効です。
IMG_7859(こんな関係になってる時点で技も何もないんですが・・・・)

人間より牛の運動量を多くすると言っても、人間が楽をするということではありません。
牛が100%なら、人間も100%で走るからこそ捕まえることが出来るのです。

この牛は2時間休むことなく共に走り続け、ようやく歩いてくれました。。。。
こんなことは本当は無い方が良いんですけれどね。
怪我なく捕まれば、結果オーライです!!!

みなさんも絶対捕まらない牛がいたときは、捕まるまで走ってくださいね!!!

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田中畜産 代表 田中一馬

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田中 一馬
1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。