削蹄用砥石

削蹄をするのに鎌やナタなどの刃物を扱います。

道具は形や刃の材質も大切なのですが、砥ぎができないとどんな道具も使えません。
逆に研ぎができれば自分好みの形に修正することもできますし、蹄に合わせた刃も作れます。

砥石は好みもありますが、僕のおすすめ砥石はこれ。
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右から、シャプトン刃の黒幕#1000、#120、#320、キングハイパー(硬質)#1000を3分割にカットしたもの(使用しているので細くなっています)2本、キング#6000(1/2カット)、キング#8000(1/2カット)、キングハイパー#1000(1/3カット)、空母、(上は)純三河白名倉砥石

・刃の黒幕#1000(オレンジ)
一般的なキング砥石#1000に比べて、砥石の減りが少なく刃がよく付きます。
削蹄鉈や両刃の鎌に使います。
赤レンガのようなキング砥石を代表とした減りの早い砥石は刃がつきやすいのですが、その柔らかさから砥石の平面を保つことが難しく平面を随時調整しないとハマグリ刃になります。
この刃の黒幕#1000はセラミックで硬い砥石ですが、硬さを感じさせない研ぎ具合がとても良いです。
水を吸わす時間も1分もあれば十分で(吸わせすぎるともろくなります)、現場に最適な砥石だと思っています。
ちなみに肉を切る包丁もこの刃の黒幕#1000を使用しています。

・刃の黒幕#120(ホワイト)
とにかく落ちます。刃こぼれや道具の修正にすごい威力を発揮します。
鎌などには向きませんが、ハマグリ刃のナタを大きく修正したり刃がボロりとかけた修復不可能に見える刃物を直すのにぴったりの砥石。
このまま使うと刃が欠けやすいので#320、#1000と仕上げていく必要があります。

・刃の黒幕#320(ブルー)
一般的な300番台の砥石と比べてきめの細かい感じがします。
大きく落とすというよりは修正用砥石。
削蹄ナタでは#120よりよく使います。
#1000で仕上げればベストですが、この砥石でもナタなら対応できます。

以上が鉈&両刃の鎌の砥石。#1000以上は必要ないと思います。
ちなみに鉈と鎌は同じ面で研いではいけません。
そもそも合いません。(意外にも同じ面で頑張って研いでいる方がいます。やめましょう。)
表と裏で使い分けると1枚ですむので便利ですよ。

・キングハイパー#1000(硬質)
鎌型蹄刀の研ぎはこの砥石1本で十分。
刃が多少欠けても荒砥石なしでこれで仕上げます。
キング砥石に比べてキングハイパー(硬質)は砥石の平面維持がしやすく、刃の付きもいいので気に入っています。
鎌型蹄刀は反りがあるので、3分割にカットしたものを使っています。

・キング#8000
#1000で研いだ後の仕上げ砥石です。
非常になめらかで滑りの良い刃になります。
#1000で研いだときのサカムケをとったり、刃全体の滑りをよくするのに使っています。
#6000も持っていますが、刃に馴染むのはこのシリーズでは#8000だと思います。
同じく鎌型蹄刀は反りがあるため1/2にカットしたものを使っています。

・空母
砥石の平面を調整するための道具です。
砥石は使えば使うほど船底のようにえぐれたり変形します。
砥石は平面が基本、船底砥石は下手くその証です。すぐに修正しましょう。
常に砥石の平面を維持することが切れる刃物の基本となります。
ずっとコンクリート床で砥石調整していましたが、コンクリートも削れていくことや仕上げ砥石の調整に向かないこと、調整の速さ、研磨剤を使う必要のない手軽さからこの空母を愛用しています。

砥石もいろいろあり面白いですよ。
使いながら試行錯誤して自分に合った砥石を探してみてくださいね。


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田中 一馬
1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。