牛の蹄は開くのが自然なの?

こんにちは。
但馬牛繁殖農家のお肉屋さん、ときどき削蹄師の田中一馬です。

今日は久しぶりの削蹄シリーズ。

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牛の蹄は開くのが自然なの?

先日、ブログのコメント欄に質問を頂きました。

せり前に子牛の削蹄をしてから子牛が立ってる時に内蹄と外蹄が左右にパカって広げて立つようになってしまいました。
前後とも広げて立ってるのですが特に前脚が広がるようになりました。
削蹄前は問題ありませんでした。
普通牛が立ってる時は閉じてますよね。
せり場で他の牛を見て回ったのですが、たまに開き気味の牛はいますが、パカって開いてるのはいませんでした。
削蹄の時に真っ直ぐ切らなくて前後を斜めに切ってしまったのか?
前側だけ、後ろ側だけ切り過ぎたらそうなるのか?
自分では何が悪かったのかわかりませんでした。
変な質問ですが、もしわかる事があればアドバイスいただけないでしょうか?
どうかよろしくお願いします。

実はこれ、よくあります。


蹄が開くのは負面がフラットになっていないからです。

牛の蹄は2つに分かれています。
内外蹄がアンバランスだと、片側に負重がかかるため蹄は開きません。

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外蹄(左側)が肥大し、非常にバランスの悪い蹄。

同じように放牧場で自然に摩耗した蹄も開くことはありません。

放牧場で摩耗した蹄

放牧場で摩耗した蹄

自然な状態の蹄も、不自然な状態の蹄も、基本的にはパカッと開きません。

ただ、ある切り方をすると蹄は開いてチョキのようになります。

左側が開いている蹄

左側が開いている蹄、右側はバランスが悪く閉まっています。

蹄がパカッと開く状態は、負面が内傾斜になっているケースが非常に多いんです。

上段がフラットな負面、下段が内傾斜な負面。

上段がフラットな負面、下段が内傾斜な負面。分かりやすいよう極端に書きました。


負面がフラットだと、体重は地面に垂直に伝わります。
逆に蹄が傾斜していると、体重は横に分散して蹄は開きます。

フラットで大切なのは蹄先の三角形

蹄はフラットが基本です。
その際に最も大切なのが蹄先の三角形

牛の蹄で一番体重がかかるのがこの蹄の先なんです。

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僕は昔、蹄は接地時に開くことが内外蹄に体重が均等にかかっている=適切な負面が作れているといった認識をしていました。

それって半分は正解です。
アンバランスな蹄は開きませんから。

(※牛が足を上げた際には、どんな蹄でも隙間が少し開きます。負面がフラットであっても、少し開いた状態で着地するため接地時には少し蹄は開いた状態です。)

ただ、体重を乗せるとと蹄がパカパカと開くというのは均等に体重が逃げているという事なんです。

特に以下のケースにおいて開いた蹄をよく見かけます。

①蹄先の三角形で内傾斜になっている。
②支えとなる軸側の蹄壁を落としている。

ぜひこの二点を意識してみて削蹄してみてくださいね!!
力が伝わる歩き方になりますよ!!!


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田中 一馬
1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。