子牛市場に潜む魔物は、ただの自分の緩さだった。

こんにちは。
但馬牛繁殖農家のお肉屋さん、田中畜産の田中一馬です。

2017年1月11日。今年最初の子牛市場です!!!

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山には雪が見えていました。

牛市前日はこんな感じ

牛市前日はなんといっても牛の掃除から。
牛は生き物ですが、僕らにとっては何十万円もする商品です。
オガクズや垢、うんこなんかついたまま販売できないですよね。
夏場はシャンプー、冬は濡れタオルで牛を磨いていきます。

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牛を掃除した後は、押し切りで切ったイナワラを寝床に敷きます。
ワラがあることで毛の隙間にオガクズが入ることを防ぎ、牛の汚れを最小限にすることができるんです。

で、でもね。
せっかく藁を敷いても、、、、結局、、、こうなるんだよね。。。

残念っす!!!!

市況です

では、市況です!!

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雌 144頭 最高1,088,640円 最低204,120円 平均811,883円 前年同期比5,836円高 先月比95,847円安

去 203頭 最高1,038,960円 最低384,480円 平均859,770円 前年同期比4,613円高 先月比57,374円安

前年対比はややプラス。
ただ、先月から見ると大幅に下げました。
特に、上と下の価格差が顕著に出てきた。

全国の子牛相場に反して、但馬牛はこれから変動が大きくなっていくと思う。

今まで最近の競り初めは50万円からってことが多かった。
だけど、今回はすぐ30万円に落ちる感じ。
「良い牛は高く買うけど、いらない牛はいらない」ってのがすごく伝わる市場だったと思う。

これが普通だし、こうあるべき。
今までの何でも高いっていう風潮が異常だっただけ。

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同時に肥育農家が牛を見る目も少しずつ変わってきている気がする。
今まで良いとされてきた牛でなく、ゆとりのある牛。
体重はそこそこでも伸びしろのある牛を評価してくれる農家さんが増えてきた。
結果、『売る時にいい牛』から『お客さんが儲ける牛』に近づいてきてる感じがしている。

我が家の牛たち。

今回我が家からは雌6頭の子牛を出荷しました。

出荷牛のラインナップはこんな感じ。
・おふくやま2(芳山土井×丸福土井×菊俊土井)
・たかね3(芳山土井×照長土井×谷村土井)
・こひめ(芳悠土井×菊俊土井×福芳土井)
・ひろただ(照忠土井×福芳土井×照長土井)
・かねただ(照忠土井×芳山土井×照長土井)
・きくひろなみ(茂広波×菊俊土井×福広土井)

早朝から緊張感の漂う現場のおかげで。。。

なんと、6頭のうち4頭が繁殖雌牛として嫁いでいきました~!!!

繁殖として購買していただけるという事は「10年以上一緒にいよう!」と思っていただけたってこと。
だからやっぱり特別に嬉しいんだよね。

「こひめ」は岩手県に繁殖牛として。

「こひめ」は岩手県に繁殖牛として。

6頭合わせた平均価格も、市場平均と同じ81万円。
ほんまに先月から9万円も下がったのかと思うような高値です。
ありがとうございます。

ただね、、、、1頭だけ313,000円と、久しぶりに大赤字の牛が出ました。

 牛市に潜む魔物は、ただの自分の緩さだった。

30万円の発句から、競り始めの数秒で落札。
1年に1~2回、こういった購買者のボタンを押すタイミングの隙間にポンと落ちてしまう牛がいます。

正直ね、まさか自分が。。。。とショックでした。
落ちるわけないと油断していた。
市場もざわついていたのが分かった。

1年半近く期間をかけて、こんな形での赤字っていうのは何ともやるせない。
確かに6頭トータルなら文句なしの黒字。
「こんなに高く売っといて、欲なこと言うな!」って言われるかもしれない。
でもね、それでもこの1頭に気持ちは引きずられる。
これは正直な気持ち。

帰り道、この牛の評価がこんな形で出たことがとにかく悔しかった。

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ただ、どれだけ悔もうがそれが競りです。
嫌なら最初から本人ボタンを持って、自分が納得する値段まで押し切ればよかっただけ。
発句30万円でなく、55万円の牛を出せばいいだけ。
後悔なんてしても何も変わらないし、何よりかっこわるい。
自分がゆるかっただけの話。

今回久しぶりに30万円前半の牛を見て、安い高いとかではなく、数年前のどん底の自分を思い出してゾッとしてしまった。
これが60万円していたら「トータルで市場平均より10万円近く高かったよ~。えへへ。」なんて調子に乗っていた気もする。

気が引き締まったわ。
マジで、今日から変える。

事故ゼロだ。
そこだけにフォーカスしよう。
落ち込んで過去にとらわれるなんて時間の無駄だ。

そんなふうに気づかせてくれたのは、僕の大切な彼女からのこの言葉でした。

お父さん、お母さん、お元気ですか。
わたしも、ジジもとても元気です。
仕事の方も、なんとか軌道に乗って、少し自信が着いたみたい。
落ち込むこともあるけれど、私、この町が好きです。


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キキちゃーーーーーーーん!!!!

わかるよーーーーーー!!!!


魔女宅、最高っす。


今日伝えたいことは以上です。


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田中 一馬
1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。