尻尾でわかる?牛の気持ちとその状態。

こんにちは。
但馬牛繁殖農家のお肉屋さん、田中畜産の田中一馬です。

テールって、美味しい部位ですよね~。
食べられる部分は少ないですが、煮込んだ時のゼラチン質とスープのコクが何とも言えません。
【良く動かす部位は美味しい】
これは僕のお肉に対する持論です。
テールはタンの次に、牛が最も動かす部位だと思っています。

テールは牛の尻尾

牛はどうして尻尾を動かすの?

そもそも牛はどうして尻尾を動かすのでしょうか?
牛の尻尾は関節が連なってできています。
先に行くほど関節は細くなり、一番先は毛だけ。

実はこの関節&毛が鞭となり、主にアブなどの害虫を追い払うのに使われています。

サシバエやアブなどの吸血昆虫を追い払うため、尻尾は必須です。

尻尾の用途はそれだけではありません。

走る時にはバランスを取るために尾を上げますし、

排便、排尿、分娩の時にも、牛は尾を上げます。
見方を変えれば、尻尾は陰部など大切な場所をガードするためのものともいえます。

尻尾でわかる牛のキモチ

様々な用途を持つ尻尾。

尻尾の動きで牛の状態を知ることもできるんです。

1、おなかが痛い時
下痢や便秘、腸捻転や陣痛、おなかが痛い時に牛はしっぽを振ります。
お産であれば「あと1時間ぐらいで分娩するな」といった目安にもなりますし、尻尾を上げたままいきむ牛がいれば便秘の可能性を疑う事も出来ます。
尿石でおしっこが出なくなっている場合も同様です。
尾は牛からの大きなサインになります。

2、ミルクが上手に飲めている時
子牛は第4胃でミルクを消化します。
そのため哺乳の際は胃の一部が変形し、第4胃までのバイパスを作るんです。(第2胃溝反射と言います。)
この反射が上手くいっている時に、子牛はよく尻尾を振ります。

第2胃溝反射は親牛に舐められる刺激で起きやすく、人口哺乳などではたまに尻尾を振らない牛がいます。
そんな場合は、子牛の体を摩りながら飲ませます。
刺激に反応した子牛は尻尾を振ってミルクを飲むようになります。

3、発情している時
牛の発情を見つける際も、尾は重要な役目を持ちます。
牛によって差はありますが、発情した牛は尾が上がりやすくなります。
また、発情粘液が尾についていることが多いため、尻尾を見て発情に気が付くことも多いんです。

授精の瞬間から子牛生産はスタートです

4、緊張している時
そして、牛が尾を振る時は、牛のキモチも見えてくるんです。

牛が尻尾をフリフリする時、「遊んでよー!」じゃないんです。
牛が左右に尾を振るのは緊張しているサインです。
緊張が高まるにつれ左右の動きは早くなり、緊張マックスでは上下に変わります。
尻尾フリフリには気をつけてね。

犬の場合だと、尻尾を振っていると喜んでいるって思いますよね。

牛の場合は逆。
尻尾を振るのは緊張の証です


これは牛市前に子牛を初めて繋いでブラッシングをした時の映像。
初めてのことで凄く嫌がっているのが伝わるかと思います。
嫌がる牛の尻尾は、、、、やっぱり動いてますよね!

たかが尻尾、されど尻尾。

尻尾から伝わる事ってたくさんあるんです。


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田中 一馬
1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。