削蹄時のガスバーナー。おすすめはコレ、コレ、コレ!!

こんにちは。
但馬牛繁殖農家のお肉屋さん、ときどき削蹄師の田中一馬です。

牛の足を人力で持ち上げ、鎌を使って蹄を切る。
そんな昔ながらの単独保定。
40歳を前に筋力の限界を感じる中、頼りになるのは道具です。

力ではどうにもならないものがある

刃物を使って蹄の形を整える『削蹄』。
柔らかい蹄の場合、800㎏の肥育牛だろうが180㎏の子牛だろうが変わりません。
しかし、硬い蹄は全然ダメ。
力でも技術でもどうにもならないものがあります。

水分の少ない床環境に牛がいる場合、蹄は硬くなります。

例えば、つなぎ牛舎のゴムマットの上にある前脚とか。。。
もう、ハンパない。
(後脚はおしっこがかかるので柔らかいのです。)

乾いた環境での蹄はこんなふうに「てっかてか」です。

蹄がカッチンカッチンに硬いと、鎌で切るのはめちゃくちゃ大変です。
腕も刃先もキツくって、とにかく切るのに時間がかかる。

切る時間が長くなると牛が暴れて重さが加わります。
すると更に切る時間が長くなる。
そして再び牛が暴れるという悪循環に入ってしまうんです。

例えるなら、パンパンにカボチャを詰め込んだ買い物袋を3つくらい腕に抱えながら鰹節をひたすら包丁で切っていく感じ。

時間が経つほどカボチャが追加されます。

これじゃあ仕事になりません。

硬い蹄にはガスバーナー

そんな時に活躍するのがガスバーナーです!
スルメを炙れば柔らかくなるのと同じで、蹄も炙れば柔らかくなります。

当然、蹄はスルメではなく牛が歩くために必要なもの。
炙りすぎてはダメです。
組織がもろくなり蹄としての強度を保てなくなってしまいます。

あくまで、取り除く部分に熱を加える感じです。
これだけで刃が劇的に通るようになります。

(あ、いったん炙った蹄が冷えると更に硬くなりますので炙ったらすぐ切ってくださいね。ここらへんもスルメと一緒ですね。)

おすすめガストーチ

このガスバーナー、実はめちゃくちゃ種類があります。
様々なガスバーナーがある中で選ぶポイントは3つです。

①ワンタッチで着火できるもの
一般のバスバーナーが①ガスのつまみを開け②ボタンを押して着火するのに対して、①ワンタッチで一発着火。
この差が大きいんです!!
押すと火が付き、離すと消える。
選ぶなら少し高いですがワンタッチタイプです。

②濡れても壊れにくいもの
ガストーチは常に糞尿にさらされています。
点火部分が濡れにくい構造のものを選ぶと「あああ!!火がつかねえ!!!」っていうイライラを大きく減らすことが出来ます。

③炎の温度が1,600℃以上の物
ガストーチで大切なのは温度です。
削蹄で使う時、弱火でじっくりなどできません。
強い火力でサッと炙る。
そのためには1,500℃を切る温度のモノでは非常に頼りないんです。
1800℃~2000℃のものと1500℃の物では全く違います。
火力は非常に重要なポイントです!!
(※2000度近いタイプは形状がピストルタイプではなく筒先が細長いタイプになります。(下記写真参照)このタイプは馴れないと使いにくいです。また筒先が細いものは火力が強い反面、バーナーの音が大きく牛が驚くことがあります。)

以上の条件を満たすガスバーナーで、僕がオススメするのが

新富士バーナー社の『RZ-840』っす!!!

長いこと使いたい時は、横にある黒いボタンを押すと火が出続けます。↓

牛とギリギリのやり取りをする削蹄現場では、こんなちょっとしたことがと~っても大きいんです!

ありそうでなかった『RZ-840』、優れ物ですよ~。

あ、ちなみにこの2つも良いっすよ!!

右下が『RZ-840』、右上が『ST-200X』、左が『BT-20LY』

この3つのガストーチの最高温度は『RZ-840』1600℃、『ST-200X』1700℃、『BT-20LY』1900℃になります。。

今まで10数種類のガストーチを試してきましたが、使いやすかったのがこの3つ。
今はこの中で一番安い『RZ-840』をコスパで選んで使っています。

削蹄で使うガストーチに迷った時は、ぜひこの3つを試してみてくださいね~。


以上、田中家三銃士でした!!
ズキューーン!!


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田中 一馬
1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。