新規就農でお金を借りるということについて

こんにちは。
但馬牛繁殖農家のお肉屋さん、田中畜産の田中一馬です。

僕が牛飼いを始めたのが2001年の秋。
もうすぐ丸16年って、なんだか早いのか遅いのかもよく分からない。

当時は大学を卒業してすぐだったから、お金のことなんて全く分からなかった。
借り入れの為に作った計画書なんて今見れば穴だらけ。
というか、今書けって言われても穴だらけの自信がある。

実績どころか畜産の経験すら皆無の僕が、いまこうして牛飼いをできているのは技術があったからではない。
支えてくれる人がいてくれたからだし、さらに言えばお金があったから。
もちろん23歳の僕にそんな貯金がある訳もない。
その多くが借金だ。

その借金も応援してくださる方がいたからこそ借りることができた。

そんな就農当初の借り入れの借用書が返ってきた。
14年前に借りた資金。
借用書の返還はこれが初めてじゃないしまだまだあるけど、やっぱり嬉しいよね。
思い入れの大きい資金だから尚更です。

以前金融機関の方から「毎回期日に返済される優秀な方なので、みんな田中さんのことは知っていますよ。」と言われたことがある。
嬉しい気持ち以上に「マジかよ!!!」と思った。

優秀なんかじゃない。
倒産の危機もあったし、たくさんの人の力で引っ張りあげてもらったからの今。
絶対無理と言われた畜産の新規就農は、この資金のおかげで出来た部分が大きい。

だからこそ1日でも返済は遅らせたくなかったし、後に続く人の足を引っ張りたくはなかった。

借りたら返すのなんて当たり前。
でも返せないケースが多い新規就農の現状もたくさん知った。

据置3年償還12年の就農初期の借金。
本当にお世話になったな。
ありがとうございます。

借金をするってマイナスなイメージもあるし、事業をする上では借金はしてナンボって意見もある。
どちらの意見もわかる部分がある。

ただどんな形であっても、返せるって嬉しい事だよなと毎回毎回思うんです。


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田中 一馬
1978年生まれ。兵庫県三田市出身。田中畜産代表。小さい頃から動物が大好きで北海道酪農学園大学へ入学。在学中に畜産の魅力に目覚め、大学院を休学して2年間畜産農家で住み込みの研修に入る。2002年に独立して田中畜産を設立。但馬牛の子牛生産をメインに、牛の蹄を切る削蹄師として全国の牛の蹄をサポートをしている。2008年に精肉部門を立ち上げ、自家産の但馬牛で放牧牛肉の生産と販売に挑戦中。